NTT労組新聞 東日本本部版
主張
2014年3月1日
日本経済「好循環」の実現へ  企業・経営者は社会的責任を果たせ

自動車や電機など、円安の恩恵を受けて業績好調な産業で、月例賃金を改善する方向で経営側の検討が進んでいるとの報道が続く。

今次春闘の特徴は、景気回復と物価上昇の局面を背景に、賃金改善で経済の好循環を実現しようと、「政・労・使」の認識が一致したこと。それぞれの思惑は決して同一ではないが、社会全体を意識したマクロ経済の視点が例年になく強調されている。

『合成の誤謬(ごびゅう)』という経済用語がある。個々にとって良いことでも、全員が同じことをすると悪い結果になる、という意味だ。

例えば、ある企業が経営の改善を意図して賃金削減をしても、多くの企業が同じことを行なえば、個人消費が減退し、景気の悪化がさらに進むということ。この過ちを続けて今日のデフレ経済がある。

一方、「賃金を請取に日本の職工はサンキューと言ひ西洋の職工はオーライトと答ふ」とは『実業之日本』(1910年)に掲載された記事。日本人の感謝の情に経営者は甘え続けてきたのではないか。

日本経済の好循環を実現するためにも、ミクロの発想からマクロの視点への転換を強く求める。これまでの過ちと甘えを払拭し、企業と経営者の社会的責任を果たすべきだ。

(大泉)

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