

「今の2週遅れの改革論議、恣意的で、一部の人間だけをみた、まさに公益を私物化する、そういう古い議論に対して敢然として闘うことができました」。2006年のNTT労組の全国大会で現総務大臣はこう述べた。政府与党合意で、NTTの経営形態論議が2010年に先送りされた時だ。
政権交代を果たした現在、ICTタスクフォースで「2015年ごろを目途に、すべての世帯でブロードバンドサービスの利用の実現」に向け、NTTの経営形態も含め論議が行なわれている。日本の情報通信の発展・維持に対し、これまで懸命に汗を流してきた組合員の努力を無にするような政策の転換はあってはならない。そして、この長年にわたって続いている経営形態問題に対し「まな板の上の鯉」状態が続くのもどうか、との気がしてならない。それぞれの立場・次元で“あるべき姿”が論議されているとは思うが。
「光の道」構想を否定するわけではない。しかし、すでに九割の世帯でブロードバンドインフラが利用可能で、今後は「光の利用価値をいかに高めるか」を問題とすべきであり、経営形態の問題ではない。コスト削減努力も行ないつつ、整備してきたインフラ基盤が私物化されないことを切に願う。
(柴田)