

政府は11月の『月例経済報告』で、日本経済は物価が長期的に下落するデフレーションに陥ったと宣言。バブル崩壊後の長引く景気悪化に苦しみ、日本経済を「デフレ」と認定した06年6月以来、3年5ヵ月ぶりのことだ。
また、消費者物価は4月から6ヵ月連続で下落し、これに加えて賃金の下落も続いている。まさに日本経済は、デフレスパイラルの悪循環に突入する緊急事態に直面している。消費の低迷が企業業績の悪化につながり、これが働く者の賃金引き下げを招き、消費を一層冷え込ませる。実体経済の縮小再生産モードだ。
ちまたでは1000円を切るジーンズや100円のコンビニ弁当、激安のプライベートブランド商品があふれ、庶民は生活防衛とばかりに歓迎・購入する。売り手は「安くしないと売れない」と嘆き、バナナの叩き売り的な安売り競争を展開する。しかし、この現実は異様だ。日本経済全体が沈没状態に陥り、結果として国民の生活に多大な影響と犠牲を強いることになる。物価の下落と賃金の下落が連動するデフレスパイラルから脱却することは容易ではない。
総務省が公表した『労働力調査』によると、10月の完全失業率は5.1%と、前月比で若干の改善はしたものの、引き続き5%台に高止まっている。また、この時期に至るもなお、大学・高校の新卒者の就職内定率が芳しくない。
このままでは、昨年末から年始にかけて日比谷公園に開設した「年越し派遣村」の再現だ。政府・日銀、そして経営者団体は、スピーディーで効果的な政策の総動員とマクロ視点の企業経営を行ない、デフレスパイラルという負の連鎖を断ち切るべきだ。
(大泉)