NTT労組新聞 東日本本部版
主張
2009年10月17日
『労働者派遣法』改正論議  「新たな時代」展望した論議を

 米国のサブプライムローン問題に端を発した金融危機から一年が過ぎた。その時の最大の犠牲者は、小泉政権下で施行された改正『労働者派遣法』(平成16年)により増加した非正規雇用労働者であり、その象徴が東京・日比谷公園の「年越し派遣村」だった。

 総選挙で格差社会の是正を訴えた民主党。鳩山政権は、雇用対策の強化と『労働者派遣法』の抜本改正に向け動き始めた。

 会社の寿命は30年とも言われ、NTTも2015年には民営化後30年を迎える。NTT東日本がどのような企業であるべきか、サービスや商品とその訴求力、雇用・労働条件のあり方、NTT東日本グループ各社の役割・連携─等、さまざまな課題を見つめ直し、組合員との対話、経営側との協議により、その針路を定め、働き甲斐ある職場を創れるようにしたい。

 先般、長妻厚生労働相は、労働政策審議会に、マニフェストに掲げた常用雇用を拡大し、①製造現場への派遣②仕事がある時だけ雇用契約を結ぶ登録型派遣─の原則廃止を諮問。使用者側委員からは、「製造業派遣が禁止されれば、海外へ生産拠点を移さざるを得ない」との意見が出され、冒頭から対立状態となった。低迷している経済状況と、悪化に歯止めがかからない雇用情況下での改正論議であり、業種や企業規模により多くの課題があることは理解する。しかし、論議のスタートは、自民党政権下での経済・雇用政策では日本の将来展望を見いだせないからこそ、政権を担ってきた自民党政権に国民が「NO」を突きつけたことであり、そのことを忘れてはならない。使用者側には、少子高齢化の急速な進展と外需依存・公共事業型経済の破綻をふまえ、新たな視点に立った経営者としての未来を見つめた前向きな論議を望みたい。

 同時に、労働組合側も民主党政権に個別事案の改善だけを求めるのではなく、短期的には痛みを伴う課題でも、大局的な観点からの政策議論をすべきであり、労使共に、今日までの延長線で考え判断するのではなく、新たな時代を迎えていることを自覚すべきである。

(大澤)

このページの先頭へ