

「家庭内介護、どう配慮」「通訳介しやりとり」「重い判決、市民感覚を反映」─などの見出しで、新聞各紙が裁判員裁判の法廷模様を伝えている。
8月3日、東京・足立区の路上殺人事件が、初の裁判員裁判として扱われた。その後、覚せい剤の密輸、性犯罪、「介護疲れ」が動機の夫婦間殺人未遂事件、外国人を被告とする裁判など、重大かつ複雑・多岐にわたる犯罪の審理が、市民から選ばれた裁判員の参加のもと、行なわれている。
ところで、裁判員裁判の根拠となる『裁判員法』は、今年5月21日に施行。これ以降に起訴された殺人などの重大犯罪が裁判員裁判の対象となり、早晩、私たちの身近で、あるいは私自身が裁判員に選ばれ、裁判に参加する機会が訪れる。
多くの冤罪を生んだ日本の刑事司法の課題をそのままに、「一般市民の感覚を裁判に反映」するとの名の下で、拙速で感情的な結論になることへの危惧や、死刑を課すことの恐れ、そもそも人間が人間を裁くことに対する疑問など、制度に対する批判は今も根強い。
だが、誰でも裁判員に選ばれる可能性がある以上、これにしっかりと対応することが、現時点で果たすべき私たちの最善の役割であると認識する。
NTT労組弁護団は、「裁判員制度」を2008年度調査研究のテーマに定め、担当した東北ブロックの皆さんが1冊の報告書にまとめた。裁判員裁判には多くの問題点はあるものの、現行法の下でより良い運用をめざし、「あるべき裁判員」像を組合員の皆さんに提示すべく、熱意をもって取り組んでいただいた調査研究の成果である。
多くの職場で学習会等に活用されることを強く要請する。
(大泉)